機械設計は”きつい”仕事って本当?残業・激務などの特徴は?

機械設計の仕事にどんなイメージをお持ちでしょうか?

けっこうきつい仕事なのでは?と思っている方もいるでしょう。

これから就職活動をされる方や転職をお考えの方にとっては気になるところですね。

実際に機械設計をしている私がその疑問にお答えしたいと思います。

ちなみに私が担当している機械設計は、一般的に「自動省力化機械」とか「産業用ロボット」と呼ばれる機械のメカ設計です。

大きな工場などで、製品を大量生産するために自動で動いている機械がありますよね。あれを設計する仕事です。「自動機」とも言います。

その他に、「治具」の設計をすることもあります。

「治具」(ジグ)とは、製品を加工・検査・組立などをする時に使う器具のことです。

主に、その製品を固定・位置決めする目的が多いです。加工治具、検査治具といった言い方をします。複雑な形状をした製品を固定するときなどに専用の治具を作って使うのです。

そんな機械設計の仕事はきついのか?どんな特徴があるのでしょうか。

機械設計はきつい仕事?特徴は?

仕事に対して”きつい”と感じる基準は人それぞれですよね。

例えば、重労働で体力的に疲れることだったり、単純作業を繰り返すことだったり、他人と接することだったり、きついと感じる場面は人によって違うと思います。

私的に、機械設計でもきついと感じることは色々あります。でも、人によってはきついと感じない人もいることでしょう。

なので、「これがきついよ!」と断言は出来ませんが、私がきついと感じることや、設計屋さんの特徴について書いていきます。これを読んできついと判断するかどうかはあなた次第です。

専門用語が分からないと話についていけない

どんな仕事でも同じですが、たくさんの専門用語があります。

特にこの仕事は普段の生活では登場しない言葉や道具がたくさん出てきます。

高校や専門学校、大学などである程度学んでいる方はとっつきやすいと思いますが、経験の無い方にとっては覚えるまで戸惑うことが多いでしょう。

先輩や上司の言っていることが分からなくて嫌になる新人もいるようです。

最初は覚えるのに努力が必要ですが、3ヶ月~半年程度仕事をしているとだいぶ分かるようになってくるので心配要りません。うちの社員はほとんどが未経験者からのスタートなので、会社や先輩の指導がきちんとしていれば大丈夫でしょう。

専門用語が分かってくると、仕事の話も理解出来るようになります。地道に勉強しましょう。

設計に必要な知識がないと仕事についていけない

当たり前の話ですが、予備知識が無い状態で「設計して下さい」と言われても出来ませんよね。

私は、設計の知識や経験が無い状態で設計の部署に配属になりました。その前に部品の加工やっていたので加工の知識はありましたが、設計は全くの素人でした。

設計に異動してからの1~2年くらいは、けっこう辛かったです。知識が無いので先輩に聞いたり、参考書やインターネットで調べて仕事をしていました。

答えがすぐに見つかればいいのですが、見つからなかったり先輩からも的確な答えが出なかったりすると仕事が進まなくなってしまいます。

機械設計に必要な知識・スキルは、ものすごくたくさんあります。例えば、

  • 力学関係(機械力学、材料力学、熱力学、流体力学など。)
  • 機械要素
  • 安全率
  • 基本的な数学力(計算式の理解力が必要。計算自体は電卓使えばOK。)
  • 製図
  • 材料(主に金属、樹脂)
  • 加工
  • 組立
  • CAD(キャド)の操作 ※CADとは、設計時にパソコンで図を書く為のソフトのことです。
  • エクセル、ワードといったパソコン操作(部品リストの作成時などに使う。)

といったところでしょうか。他にもあると思います。

さらに、そもそもどういった装置を作るかといった「設計の全体像」や、どんな動きで要求を満足させるかといった「設計の考え方」については、現場での実務経験がないと難しい内容です。

ただ、これも専門用語と同じで最初は分からないのが当たり前です。一般的に、未経験者にいきなり設計をさせることは無いでしょう(私はさせられましたが)。

先輩や上司の補助的な仕事をしながら一つ一つ覚えていきましょう。時間はかかるかもしれませんが大丈夫です。

その点、学校で専門的に学んできた方は基本的なところを習得しているので、即戦力として重宝されるでしょう。

設計の素人だった私の場合、加工の経験があったことは唯一の救いでした。部品の形状を設計する際に、どうやって加工するかを考える必要があるからです。

加工出来ない形状や加工が困難な形状の部品を設計すると、後から変更が必要になったり余計なコストが掛かってしまいます。加工の経験が無い設計者がよくやりがちなパターンです。

加工に関しては、”百聞は一見にしかず”です。実際に工作機械で金属を加工している現場を見ることが出来ればイメージをつかみやすいでしょう。最近ではYouTubeなどの動画配信でも見ることが出来ます。

納期が迫ると残業、休日出勤が増える

納期が間に合わなくなりそうな時、当然残業や休日出勤が多くなります。

過去に私は残業と休日出勤の合算で、月に150時間を超えたことがあります。(設計屋さんでは普通かもしれません。)徹夜も何回かありました。

この時の案件は、最初から納期を間に合わせるのが厳しいと分かっていた仕事でした。しかし事情があってやらざるを得なくなり、無理矢理請け負った仕事です。

毎回そんなに残業しているわけではありません。最近は毎日定時です。

そういった無茶な受注をせず、きちんと日程を管理して予定通り設計を進めていけば、極端に残業が増える仕事ではないと思います。(それが難しかったりするのですが・・・)

私は今勤めている会社での経験しか無いので、他の設計屋さんはどの程度残業しているのかわかりません。受注した仕事の内容にもよるので一概には言えませんね。

ちなみに最近は”働き方改革”ということで、うちの会社は一ヶ月の残業時間を45時間以内に制限されています。

なのでそれ以上残業をさせられることは無いのですが、逆に納期が間に合わなくて切羽詰ってしまったらどうすればいいのでしょう?お客さんは待ってくれないので困ったことになりそうです。

あと、残業代を稼ぎたい人も居ますが上限が45時間なのでそれ以上は稼げなくなりました。

土曜・日曜に仕事が入る可能性アリ

設備の設計をする際、必要に応じて客先の設備を下見したり、スケッチすることがあります。

その作業は、客先の設備が稼働していない土曜日や日曜日に行うことが多いです。

設備の稼働中に立ち入ったら邪魔になったり、危険を伴うからです。

同じ理由で、客先に設備を設置するときも土日が多いです。

土日を確実に休みたい人は、その辺を頭に入れておいた方がいいでしょう。

プレッシャーとの戦い

大きな設備では、設計ミスが重大な事故に繋がる可能性があります。

安全率など、ある程度の計算が必要になってきます。

そして設計ミスがあると、その対策で予定に遅れが生じます。

余計な費用もかかってしまいます。

周りから「何やってんだ!」と言われるかもしれません。

・・・といったプレッシャーに耐える精神力と知識・技術が必要です。

他の仕事でも同じですけどね。

人間関係と職場環境が大事

働く上で、”人間関係”と”職場環境”はかなり大事かな、と思います。

設計屋さんがこんな環境なら、働きやすいと思います。

  • 分からないことがあっても、丁寧に指導してくれる先輩や上司がいる。
  • 気兼ねなく質問できる人が周りにいる。
  • 会社(部署)の体制がしっかりしていて、教育が行き届いている。
  • 理不尽な残業の要求がない。
  • 納期が切羽詰る前に、周りがフォローしてくれる。
  • 必要な資料が揃っている。

一方、こんな環境だとかなりきついと思います。

  • いつもピリピリして不機嫌な人がいる。
  • 指導が無く放置されてしまう。
  • 無計画な受注で毎日遅くまで残業になる。
  • 見本にしたいと思える上司・先輩がいない。

これはどの仕事でも同じだと思います。機械設計でもそうです。

就職活動の際、仕事内容は分かっても人間関係や職場の環境を知ることは出来ません。

でも一番気になるのはそこだったりするんですけどね。

私も今勤務している会社しか中身を知りません。うちは従業員50人足らずの中小企業。

大きな会社だと環境がだいぶ違うかもしれません。

事前にいい職場を見分ける方法は知りませんが、カイシャの評判というサイトがあります。

口コミが載っていれば参考になるかもしれません。

機械が好きな人はきつく感じない

きついと思われることを色々挙げましたが、「機械が好きな人」はそういったことをきついと感じないかもしれません。何事もそうですが、好きでやっている事は困難があっても苦に感じないものです。

私の上司がそういう人です。

図面にミスがあっても、「それを直すのが楽しい」と言って鼻歌歌ってます。

めちゃくちゃポジティブです。

そういう人は、この仕事に向いているんだと思います。

大変な事ばかりじゃなく良い事も

もちろん、機械設計の仕事は良い事もあります。

簡単に言うと、装置が出来上がった時の達成感はあります。

大変な事ばっかりだったら、みんな辞めていますよね。

良い事については、機会があったら別の記事に書いておきたいと思います。

まとめ

機械設計において、きついと思われそうな特徴について書きました。

どのような印象をお持ちになったでしょうか?

きつそうだと感じるか、面白そうだと感じるかは人それぞれだと思います。

就職活動の方はぜひ参考にして下さい。